女性らしい「変革型リーダーシップ」

来年のOUEN Japan はテーマを『女性(リーダー)の応援団』にしたいと思う。
私が今までお世話になり、物心両面において支えてもらっている女性(リーダー)への恩返しのスタートの年にしたいと思う。

そんなことを考えていて、ふと気が付いた。女性リーダー像は、私が目指しているそのものなのではないかと。

私は稲盛和夫さんを私淑している。稲盛さんが座右の銘とされていた『敬天愛人』は西郷隆盛が愛した言葉だ。そして、西郷隆盛も稲盛和夫さんも、それは懐が深い厳しくも優しい心を持った人物だ。人を包み込む器の大きさは桁違いだ。

稲盛さんは「利他の心」「愛と誠と調和の心」を説かれた。厳しさの中にある優しさこそが本物の優しさなのだと思う。

そんなことを考えていて、ふと、私を育ててくれた祖母のことを想った。
私は両親の仕事の関係で両親と離れて暮らした。生まれてから中学生まで祖父母に育てられた。高校は金沢だったために下宿せざるを得なかったが、それまでは祖父母との3人暮らしだった。私の育ての親は祖父母である。 

祖父にはいつも「日本のために尽くす人間になれ」と言われた。
“日本男子如何にあるべきか”、日露戦争で死戦を彷徨った人でしか発することができない「生き方」を教わったと思う。

一方、祖母は、凛とした上品な女性だった。そして「かかあ天下」そのものだった。
祖父を立てるが、極めて厳しいことも言う。祖母から口を利かないことも間々あった。間違っていると思ったことはガンとして許さなかった。優しさの中にも厳しさがあった。 私は祖母こそ”女性の鏡”ではないかと子ども心にそう思っていた。

そんな祖母を稲盛和夫さんの中に私は見ているのではないか。
稲盛さんは”女性の心”を持っていらっしゃる。

これからの日本は、今までの男らしいリーダーではなく、女性の変革型リーダーが必要とされているのではないか。

メンバーの意見に耳を傾け、モチベーションを向上させることが得意なリーダーシップだ。
信頼、モチベーション、組織力、コーチング力に長けている。優しさや周囲を気遣う心だ。

リーダーシップは指導力、統率力と表現されるが、そのベースには”女性らしい優しさやきめ細やかさ”があってこそ、人を愛する大きな器の人間になることができるのではないだろうか。

不動院重陽博愛居士
(俗名 小林 博重)

産経新聞(令和4年11月29日朝刊)