昨日は、ニッチの会主催の「隙間商品開発研究会」に講師としてZOOMにて講演をさせていただいた。
この研究会のメンバーは、ニッチ商品・サービスに実業として関わっていらっしゃる人たちである。私は、ある人に言わせれば「何でおまんまを食べている人か分からない」人間、「虚業で生きている」人間であることは確かであり、皆さんのご参考になる話ができるだろうかと思った。
しかし、こんな人生を送っている人間がいることをお話しすることが、皆さんのこれからの人生や仕事の在り方に何らかのお役に立つこともあるのではないかと思い、ZOOM講演の講師を引き受けたものだ。資料として、6月4日の出陣式のおりの「私のご挨拶」(添付)を皆さんに送らせていただいた。
ZOOM講師のお話しは、九州北部信用金庫協会の篠原専務からいただいた。
篠原さんとお知り合いになったのは、NPO OUEN Japanを設立(平成26年1月)して間もない頃だったと思う。
NPOの筆頭理事の梶山先生(元九大総長、その当時は福岡女子大理事長兼学長、現在は同校最高顧問)から、OUEN塾(学生たちと地元企業の交流イベント)の第一号は福岡ですればいいとの進言をいただいたことで福岡に出向くことになった。
その開催のため、地元の企業と大学の皆さんにご協力いただきたいとお願いをする訪問を、4泊5日で毎月福岡出張をしていた最初の頃だ。それは平成27年ではなかったかと思う。
親しくさせていただいている西武信用金庫の髙橋理事長が「福岡でOUEN塾を開催するのであれば、信用金庫がキーになるだろう。九州北部信用金庫協会の篠原専務を紹介するから、訪問して相談に乗ってもらったらいい」と篠原専務をご紹介されたものだ。
梶山先生からは、福岡の7社会(九電、JR九州、西鉄、西部ガス、九電工、福銀、西日本シティ銀)のトップの方々をご紹介いただいたが、地元経済の根っこを支えているのは地元の中小企業であり、中小企業が元気にならないと地域創生はできない。大中小がともに手を携えてこそ地域創生ができるのだ。
まず、学生たちに、彼らが住み、学び、これから働く、地元をよく知ってもらうことが地域創生につながる。地域創生までには迂遠と思うかもしれないが、地道な一歩一歩の積み重ねが夢を現実に変えていくのだ。
そんな想いを持って第1回のOUEN塾を福岡で開催しようと思った。そして毎年2月に4泊5日のOUEN塾を3回開催してきている(ここ2年はコロナで開催できてはいないが、来年から学生リーダーを募集して趣向を変えたNew OUEN塾を開催したいと考えている)。
OUEN JapanはNPOであり、その活動資金は、NPO の目的をご理解いただいた企業や個人の浄財が望むところだ。しかし、私個人がいくらそのことを説いても、なかなか浄財は集まらないのが現状だ。それなら、企業のビジネスをサポート(売上拡大、経費削減に寄与する)することでその成約報酬を源資にすることであれば、企業の支援はスムーズにいただけるだろう。そんな想いで、企業同士のビジネスマッチング、ビジネスコラボレーションのサポートに傾注している。私はこれら企業を勝手にOUEN Companyと称しており、現在、OUEN Companyは首都圏を中心に、OUEN塾を開催している九州北部や私のふるさと北陸地区、それに関西、東北、北海道と200社は超えるまでになった。
稼いでそのお金をOUEN塾活動に使う。何でそんなことをするのか。それは私が幸せな心になりたいからだ。人さまが喜んで下さることをすると、こちらは幸せな心になる。 人間は幸せを求めて生きている動物だ。その「人間の在りようの基本」を私は応援部で学んだ。
私は東大応援部で応援漬けの大学生活を送った。「何学部を卒業されたのですか」と聞かれても恥ずかしくて法学部でしたとは言えない。しかし、胸を張って応援学部でしたとは言える。誰よりもそのことは自信を持って言えるほど応援部に浸かっていた。 そして、そこで学んだ東大応援部の「3S-Spirits(Service、Sacrifice、Study)」は、今、私の生きる哲学(応援哲学)になっている。 私は、Serviceを社会貢献、Sacrificeを活私奉公、Studyを人生修養と意訳しているが、これが私の応援哲学である。
また、私は稲盛和夫さんを私淑している者ではあるが、稲盛さんの「6つの精進」も私にとって大きな支えになっている。
それは、誰にも負けない努力をする、2.謙虚にして驕らず、3.毎日の反省、4.生きていることに感謝する、5.善行、利他行を積む、6.感性的な悩みはしない、の6つだ。
人のために尽くすことは自分のためである。自分が幸せになるために、人のために尽くす。
私の利己主義は、一般的に言われるそれとは違うだろう。私が考える「究極の利己主義」とは、人のために尽くすことで、自分の心が喜ぶというものであり、それは「利他の心」に近づくものなのだと思っている。
これはビジネスの基本でもあろう。近江商人の「三方良し(売り手良し、買い手良し、世間良し)」然り。石田梅岩の「石門心学」然り。 商人には商人道があるのだ。
今、私は、生まれ変わって、第2の生を雄々しくスタートさせた。それは、思いの他、順調だ。
ありがたいことに、心清き人たちが私の周りに多く集まってきてくださる。出陣式で私の存念を表明したことで、皆さんもそのような想いになっていただいているのだろう。
入口は、ビジネスonlyであっても良い。それを長続きさせるためには、永続させるためには、ビジネスの中に、相手のことを思い遣る「恕の心」を持つことが不可欠なだと思う。これから半世紀、このポリシーを貫き通すことで幸せな人生を送りたいと強く思うものである。
そのようなことを取りとめもなくお話しさせていただいた。
「類は友を呼ぶ」という諺がある。同じ想いの皆さんと親しく交流をしたいものだ。私のメールアドレスkobayashi@ouen-dancho.jp にでもご連絡をいただくことを願っている。 また、年末のOUEN望年会(約200名の老若男女のご出席者)にも是非ご出席いただきたいと思う。
不動院重陽博愛居士
(俗名:小林 博重)
出陣式でのご挨拶 04.06.04.docx