昨日、赤坂区民センターにて、NPO 日ロ経済文化交流会主催の「ロシアを理解するセミナー」が開催され出席した。
このNPOの理事長は高校同期の山辺美嗣さんだ。私とは高校大学の同期だ。今回、私は彼に頼まれて副理事長に就任した。私はロシアのことは日露戦争くらいで全くと言っていいほど知らない。しかし、福岡でのOUEN塾の留学生にロシアの学生が何人かいたこともあり、この際、隣国であるロシアのことを学んでみようと思い、山辺さんのお申し出をお受けした。また、昨今のロシアによるウクライナ侵略のこともある。
⒈NPO 日ロ経済文化交流会設立の目的
ロシアは、歴史的・地政学的に重要な隣国であり、本NPOは「両国で、平和と繁栄を共有する」ことを目的としている。
⒉令和4年度第1回セミナーのプログラム
⑴ロシアビヨンド編集長からのビデオメッセージと、「ロシアを知る」スライド資料の山辺理事長からの紹介
⑵「多民族国家ロシアの多様な価値観と魅力」についての講演
⑶NHKや米ジャーナル誌、仏ジャーナリストが過去に報道した映像・動画の紹介
国民は、2月からのロシアによるウクライナ侵略から、ロシアについての報道を注視するようになったと思うが、少なくとも私はそれまではあまりロシアには興味を持っていなかった。
ロシアは大国であり、日本の隣国でもあるから、それなりのことは知っている。しかし、日本の親密国ではない。
日露戦争、ロシア革命、ソビエト連邦の樹立と崩壊、米ソ冷戦、北方領土等々。
日本は決して単民族国家ではない。圧倒的多数の国民は大和民族だが、アイヌ民族や樺太から北海道に移住して生活しているウィルタ民族やニヴフ民族、琉球民族、小笠原諸島欧米系島民等がいる。それでも日本は圧倒的に大和民族で占められている。
それに対して、ロシア連邦は圧倒的にロシア民族なのだが、約200の民族がいる(実際のところ200を超えるらしい)多民族国家なのだ。
ソビエト連邦が崩壊して所属していた共和国が独立したが、連邦政府は力で独立を阻止した共和国もいくつかあるとか。
チェチェン紛争は、ロシア連邦からの独立を目指す独立分離派とロシア連邦政府との2度に亙る紛争だ。結果、ロシアに抑えつけられて最後はギブアップした例だ。ウクライナは独立国だが、プーチンとしては、チェチェンと同様な想いなのだろう。
それぞれの共和国はロシア民族が圧倒的なところは多いがそうでない共和国もある。
民族とは、言語・人種・文化・歴史的運命を共有し、同族意識によって結ばれた人々の集団だ。だから、民族は人間の原点であり、どうしても譲れない拘りがあるのだ。 多民族国家はそんな悩ましい問題を抱えている。私のような「大和民族の日本人」では、感性としてスッと理解できるものではないように思う。
しかし、人権は譲れない。人命は何より尊重しなければならない。許し難い行為には断固とした対応・抵抗をするべきであろう。
しかし、ガンジーは言っている。
「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証だ」と。
分かるようで分からない。と言うかどうしたらいいのか、ガンジーならぬ私のレベルではそのような達観の境地には辿り着かない。
70年間で私が思うに至ったことがある。
それは争っても何もいいことはないということ。幸せは争わないこと。どうしようもない人とは距離を遠くして関わってはいけないということ。しかし、言うべきことは冷静になって堂々と言うべきだということ。
人間は、なんだかんだ、悩みながら生きていく。そして少しずつ成長していく。そんな動物であることは確かなことだと思う。
不動院重陽博愛居士
(俗名 小林 博重)