やっと、これが私が求めていた『生き方』ではないかと思うようになった。
生まれてずっと漠然とながら「人間の生きる意味」を考えて生きてきたように思う。そして、その意識が顕在化しだしたのが、銀行を中途退職した44歳の前くらいだろうか。
稲盛和夫さんに巡り会った頃からだろう。
若い頃は、自分の能力は無限大だと思うものだ。
努力すれば、大実業家にも総理大臣にもなることができると思った。東大を出て大企業に入って出世していくと会社のトップである社長にまで昇り詰めることはさほど難しいことではないと思った。
しかし、そんな時、人間が生まれてきた本質的な意味を追求する自分がいた。そして、それが少しずつ顕在化して、中途退職という若気の至りに行き着いたのだろう。
しかし、私はそのことを多少反省することはあっても全く後悔はしていない。運がいい私らしい「良き選択」をしたと思っている。
私は何になりたかったのだろう。ふと、夢に『社会起業家』『石門心学』と言う言葉が浮かんでいた。早速、寝床でスマホで繰ってみた。
社会起業家
社会変革( Social change)の担い手(チェンジメーカー)として、社会の課題を、事業により解決する人のことを言う。
社会問題を認識し、社会変革を起こすために、ベンチャー企業を創造、組織化、経営するために、起業という手法を採るものを指す。またそのように起業された事業体を社会的企業という。
私はそんなレベルではないなと思う。そんな高尚なことは考えたことはない。私のキャラクターそのままに生きてきただけなのだ。
石門心学
日本の江戸時代中期の思想家・石田梅岩(1685年 – 1744年)を開祖とする倫理学の一派で、平民のための平易で実践的な道徳教のことである。
武士道に対し、商人にも商人道がある、武士の禄は商人の利益であると説いた。人のために尽くして、そのお礼が利益なのだということだ。
梅岩の思想の要諦は、「心を尽くして性を知る」、すなわち人間を真の人間たらしめる「性」を「あるがまま」の姿において把握し、「あるべきよう」の行動規範を求めようとする点にある。
この点において、武士も庶民も異なるところはなく、士農工商の身分は人間価値による差別ではなく、職分や職域の相違に過ぎないとする。
事務所に出向き、私が心に残った箴言に出合った時、それを書き留めていたノートを捲ってみる。
まずは稲盛和夫さんの箴言だ。
生きる目的とは、"一生涯、自分の魂・能力を磨き続け、世のため人のために尽くす"ことである。
私たち人間が生きている意味、人生の目的はどこにあるのでしょうか。
もっとも根源的とも言えるその問いかけに、私はやはり真正面から、それは"心を高めること、魂を磨くこと"にあると答えたいのです。
「この世へ何をしにきたのか」と問われたら、私は迷いもてらいもなく、"生まれたときより少しでもましな人間になる"、すなわち"わずかなりとも美しく崇高な魂を持って死んでいくためだ"と答えます。
生きていくことは苦しいことのほうが多いものです。ときに、なぜ自分だけがこんな苦労をするのかと神や仏を恨みたくなることもあるでしょう。しかしそのような苦しき世だからこそ、その"苦は魂を磨くための試練"だと考える必要があるのです。労苦とは、己の人間性を鍛えるための絶好のチャンスなのです。
「世のため、人のため」という思いは、宇宙が本来持っている「意志」である。全てに対して、「よかれかし」という"利他の心、愛の心"を持ち、努力を重ねていけば、宇宙の流れに乗って、素晴らしい人生を送ることができる。
策を弄してはならない。正道を踏んでいくことは一見、迂遠であるように見えるけれども、それが成功するための近道です。
汚れた人間が敗北を恐れて踏み込もうとしない場所にも、清らかな人間は平気で足を踏み入れ、いとも簡単に勝利を手にしてしまうことが少なくありません。
なぜならば、清らかな人間は、いつも自分のエネルギーを、より穏やかな心と、より明確で、より強力な目的意識によって導いているからです。
安岡正篤さんは職業観・仕事観について述べている。
我々は何のために仕事をするのか、何のために会社はあるのかと言えば、第一に自己の主体性・自立性を練磨すること、自由を確立することであり、進んでは、それによって、発達する自己を通じて、何らか"世のため、人のために尽くさんがため"である。
人間はみな職業を持っております。社会学者は職業に二つの意味を説いている。
その一つは、それによって生活を営む手段とすることである。しかしこれは誰しも免れない条件ではあるけれども、それだけでは尊い意味はない。職業の大切なことは、それが生活の手段であるということのほかに、その"職業である仕事を通じて、何らかの意味において、世のため、人のためになる"ということである。これあるによって職業は神聖であるということができる。これあるによって進歩がある。
ヒルティ
仕事のさなかに倒れること、これこそ正常な老人の正しい経過であり、およそ人生の最も望ましい終結である。
武士道の精神
高き身分の者に伴う義務(=ノウブレス・オブリージュ)である。
チャンドラー
タフでなければ生きていけない。
優しくなければ生きていく資格がない。
本田宗一郎
チャレンジして失敗を恐れるよりも何もしないことを恐れろ。
大過がない、大過なく過ごしたというのが、一番の大過だ。
新井正明
暗いところばかり見つめている人間は、暗い運命を招き寄せることになる。いつも明るく明るくと考えている人間はおそらく運命からも愛され、明るく幸せな人生を送ることができるだろう。
七楽の教え(富山の薬売りの教え)
楽すれば、楽が邪魔して楽ならず、楽せぬ楽がはるか楽楽
→勤勉、正直、倹約、堪忍、知足分限、独立自尊、自助
八起五則
1.早起き
2.笑顔
3.素直
4.感謝
5.いい出会い
OUEN Japan のミッション
①未来を担う「学生たちの応援団」
②OUEN Japan の志を理解していただき、OUEN Japanを応援してくださる多くの「企業の皆さんの応援団」
③みんなで、私たちが住み、働き、学ぶ地域の創生をサポートする「地域の応援団」
サスティナブルなボランティア活動が自然体でビジネスにつながっていくことを身をもってOUEN Japanが証明したいと思う。
これが石門心学、稲盛哲学の実践であり、私の応援哲学である。そして、これが私なりの社会変革である。
小林 博重