withコロナ時代の生き方を考える。私が55歳を前にして個人会社Mapを立ち上げてから12年一回りが過ぎた。早いものだ。
その間、NPO OUEN Japan を立ち上げ、Mapの想いをOUEN Japan に引き継いだ。OUEN Japan は、企業や学生の皆さんとともに、withコロナ時代に相応しい「地方創生」を目指している。
菅総理は「自助、共助、公助」を掲げているが、これは公助を蔑ろにするものではない。
菅総理は「国民は須く自助の精神を持って生きること、福澤諭吉の独立自尊の精神で生きることが、幸せな人生を送ることになるのだ」と言っていると私は解している。
12年前に開設したMapのHPで私が考えているところを述べている。この精神は強くなることはあれ、衰えてはいない。
withコロナ時代を生き抜くにあたり、改めて私の想いを推敲してみよう。
[人生を生きるとは何か]
幾つかの職を転々とし、50歳を過ぎて明治安田生命にて生命保険エージェントを務めた。それなりの収入もあり、これが天職かとも思ったが、何か満足できない自分があった。
やはり、私にしかできないことを果たして生涯を終えたい、との思いが沸々と湧いてきた。
では、自分にしかできないこととは何か、私の得意技は何か。本田宗一郎さんの著書『得手に帆揚げて』に巡り合い、「人と人とを繋ぐビジネスコラボレーションサポート」を天職にしようと思い、平成20年5月に、㈱南青山ビジネスパートナーズ(Map)を設立した。そして、その延長線として、「日本人大学生、来日留学生および彼らを応援する企業の皆さんを応援するNPO OUEN Japanを平成26年5月に設立した。
[得手に帆上げて]
若い時にはオールラウンドプレイヤーを目指しました。人生の階段は一つしかないと思っていた。還暦を過ぎた頃から「人生の頂点を目指す階段は、十人十色」と思うようになった。
人間にはオールラウンドプレイヤーの部類に属する極めて優秀な人はごく一部で、殆どの人はそうではない。しかし、天は、公平に、その人しか持ち合わせない『得意技』を与えてくださっている。
オールラウンドプレイヤーが美しい球体であるとすれば、私は凸凹の極み。およそ球体とは程遠い存在だ。しかし、私の凹の部分を埋めてくれる人たちが集まってくださってタッグを組めば、それは素晴らしい地球のような球体になるだろうと思う。そして、みんなが『得手に帆揚げて』、夢を追い続ける集団を創っていきたいと思う。
[大家族主義/温かい人間関係と強固な結びつき]
相手への思いやり 、相手に寄り添うこと、 施すのではなく相手に尽くす心 、自らが真っ先に行動すること(率先垂範)、縦の規律のなかに横の心を添える、 緩やかでありながら強固に結びつく、 お互いが対等である、 同じ夢を追い続ける、 大らかで牧歌的で自由闊達である。
[自利利他、忘己利他(もうこりた)]
相手の立場に立って考えてみることが、何にも増して、人間関係を良好にする要諦だ。「情けは人のためならず」の諺もある。人のために尽くし、その人に喜んでいただければ、必ずや、物心両面に亙り、直接間接、短期長期、お礼がある。私は、「人間誰でも、自分が一番可愛いと思っている。まずは自分。利己主義の塊。誰よりも先に幸せになりたいと思っている。そうであるならば、究極の利己主義を貫くべきだ。それは、不思議なことに、真逆にある利他主義の道に通じている。」と思うようになった。究極の利己は利他なのだ。中途半端な利己主義だから、人間関係が長続きせず、お互いが幸せにならないのだと思う。これからの後半生は、利己主義を極めて、自利利他、忘己利他の境地に到達したいと思うものだ。
[幸せに生きる/生きる哲学、夢を持つこと、一生青春・一生燃焼の心を持ち続けること]
ぶれない哲学を持つことは、生きる上でも経営をする上でも、人生成功のための不可欠な前提条件だと思う。何か悩むことがあったら、それぞれの「人生哲学」と言う原点に立ち戻ることが大切だ。2年後に古稀を迎える。古来稀なる歳になった。一般的には、人生の長さから言えば、我が人生はあと10〜15年しか残っていないのかもしれないが、人生100年時代になった今、あと30年余りの人生を見据えるべきだろう。「人生は一生青春」の心意気を持って、ミッション達成に向け、夢を忘れず、正道を突き進んで行きたいと思う。
[天真爛漫、天衣無縫、幼子の心]
私の結婚式で、妻は友人から「角を矯めて牛を殺すなかれ」との祝辞をいただいた。「私の自由奔放さを殺すな」というありがたいアドバイスだった。
私は、一般的常識が欠落しているところがあり、親しい友人からも間々「常識を持て」とのご指摘を受ける。銀行時代、ある支店長からも同じことを言われた。
他方、別の支店長や部長からは「小林の天真爛漫さが人の心を開く特効薬だ。いつまでも幼子の心を忘れるな。役員になっても、小林の名物演芸である『王将』を演じ続けてほしいものだ」とも言われた。
私が培ってきた「温かい人脈」は、何かの思惑があって形成されてきたものではなく、幼子のときと同じく、そのままの自分で皆さんと接してきた賜物であると思っている。
素直に、謙虚に、至らぬところは反省し、人間修養に努めなければならないが、「角を矯めて
牛を殺すなかれ」の諺通り、小林独自の天性の得手を矯めることなく、天真爛漫、天衣無縫の人生を全うしていきたいと思う。
[人脈づくりの鉄則]
最初から見返りを求めない、自分が魅力的な人間になる 、自分から情報発信する 、礼儀やマナーを大切にする 、こまめに連絡する 、オンとオフを分けない 、聞き上手になる 、どんな人にも敬意を払う。
Mapを立ち上げた頃、ある新聞記事で見つけたものだ。
一匹狼として、「これからは独りで生きていかなければならない」という思いが強かったせいだろうか、心にストンと落ちた心地がした。
小林 博重
[心している箴言]
敬天愛人
道は天地自然の物にして、人はこれを行うものなれば、天を敬するを目的とす。
天を敬い人を愛し、天を知り、己を尽くし、人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ねるべし。
天は人も我も、同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以って、人を愛するなり。
—西郷隆盛
至誠而不動者未之有也、不誠未有能動者也
至誠にして動かざる者は、未だ之れ有らざるなり。
誠ならずして、未だ能く動かす者は有らざるなり。
こちらがこの上もない誠の心を尽くしても感動しなかったという人に、未だ会ったことがない。誠を尽くせば、人は必ず心動かされるものである。
同様に、誠意を尽くさなくても人を感動させることができる人にも、未だ会ったことがない。
—孟子
私が自分だけのために働いているときには、自分だけしか私のために働かなかった。
しかし、私が人のために働くようになってからは、人も私のために働いてくれた。
—ベンジャミン・フランクリン
弱いものほど相手を許すことができない。
許すということは、強さの証だ。
あなたの夢は何か、
あなたの目的とするものは何か、
それさえしっかり持っているならば、
必ずや道は開かれるだろう
明日死ぬと思って生きなさい。
永遠に生きると思って学びなさい。
—マハトマ・ガンジー
哲学のない人は、経営をやることができない。
理念なき行動は凶器であり、行動なき理念は無価値である。
やってみもせんで何が分かる。
—本田宗一郎
叱るときに大事なことは、失敗した部下をしかるときも感謝の気持ちを忘れたらいかんということや。
日頃は、よくやってくれている。ありがとう。しかしこれは、気をつけんといかん、ということやな。
とにかく、まず、感謝の気持ちを持って叱らなければならん。
まあ、心のなかで、手を合わせながら叱る。こういう心掛けで叱らんといかんよ。
—松下幸之助
経営には非常に勘が重要だが、勘だけではだめだ。また、データやコンピュータだけでもだめだ。資料をいくら重ね、そんなものを分析しても限界がある。
経営に成功するのは原則がある。それを心得ないと絶対に成功しない。
その条件は三つあって、その三つを満たすことが重要だ。
第一は、絶対条件ともいえる経営の哲学、経営理念や志が備えられていなかったらだめだ。
第二は、その上に必要条件として、一人ひとりの豊かな個性を最大限に生かしきれる環境を企業として整備することだ。そしてその一人ひとりの内にある創造性を最大限引き出すことに成功することだ。
第三は、あとは付帯条件としての戦略・戦術というものの駆使だ。
—松下幸之助
大変だったが、しかし、素晴らしかったといえる人生を送りたい。
—かもめのジョナサンから
60代に入ると、一応還暦を済まして、いよいよ20年の精進がいる。
70歳で新しい人生を開き、80歳になって人生の頂点に達する。
80歳で第3の人生が始まる。本当に人生を楽しむのは、80歳からである。
90歳まで生きないと本当の人生は分からない。
75,76歳から85,86歳が一番伸びるときである。
—平澤興
仕事のさなかに倒れること
これこそ正常な老人の正しい経過であり、
およそ人生の最も望ましい終結である。
—ヒルティ
こころよく我に働く仕事あれ それを仕遂げて死なむと思う
—石川啄木
子貢問いて曰く
一言にて以て終身之を行う可き者有りやと
子曰く 其れ恕か
己の欲せざるところは、人に施す勿れと
—論語
人間は、自らの心を高めるために働く。
人のために尽くすことが人をつくる。
神様が手を差し伸べたくなるほどに一途に仕事に打ち込め。そうすれば、どんな困難な局面でも、きっと神の助けがあり、成功することができる。
充実した人生を送るには、「好きな仕事をするか」、「仕事を好きになるか」のどちらしかない。
利他の心で判断すると、「人によかれ」という心ですから、まわりの人みんなが協力してくれます。また、視野も広くなるので、正しい判断ができるのです。
より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりに満ちた「利他の心」に立って判断すべきです。』
—稲盛和夫