安倍首相の辞任会見に思う。

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安倍首相が昨日の28日、健康上の理由で辞任する記者会見を行なった。7年8カ月の長期政権だったが、始めあれば終わりは来る。これだけ長いと驕りは出るだろうし、裸の王様にもなるだろう。功罪半ばするが、その功績は安倍首相でなければ成し得なかったことであり、高く評価に値するだろう。素直に「本当にご苦労様、ゆっくりおやすみください」心からと申し上げたい。
それにしても政治家とは因果な商売だ。国民のために命を投げ出すのが本来のあるべき政治家だが、そのような御仁は皆無に等しいのが偽らざるところではないか。政治家に聡明才弁な人は多々いるが、「人のために働く」という深沈厚重なる人物と言われる人は滅多にいない。
かの西郷隆盛や坂本龍馬は、そのくだらない「政治家ならぬ政治屋」に嫌気がさして、西郷は孤高の道へ、龍馬はビジネスで海外に雄飛しようとした。この二人は司馬遼太郎が好んで小説にした、実に人間的魅力がある、そのため後世の人たちに高い評価を受けて人気は抜群だ。 政治家ならぬ政治屋にはそんなチャーミングな人はいない。私見で言えば台湾の李登輝元総統ただ一人ではないかと思う。
「政治家である前に真っ直ぐな人間であれ」
混濁の世の中に染まることなく、「生きる哲学」を死守する人生を貫く政治家が最高レベルで尊敬に値する政治家だと思う。その意味で、私は今の政治家にはほとんど期待していない。寂しいことだと思うが致し方ない。
私は、よく、自分の器量を知り、その器量の及ぶところで、世のため人のために全力投球したいと思う。高からず低からず、素直な心で「我を知る」ことだ。
小林 博重