福澤諭吉翁の心訓

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読書三昧の一日だ。じっくりと、完本『哲学への回帰』を読み終えた。
稲盛和夫さんと梅原猛さんの熱い想いの対論は心が洗われる。この本は、お二人の三冊(1995年と2003年と2009年)の対論書籍を集大成したもので、実に読み応えがある。このコロナ禍の時代にこそお二人の対論を読んでみたいものだが、梅原猛さんは昨年(2019年)に94歳で逝去されたのでそれは叶わない。しかし、この対論は時代を超えて心に響く。それはお二人とも、人間の本質に回帰せよ、生きる哲学を持て、との熱い想いがあるからだ。
読み終えて『福澤諭吉翁心訓』に想いを致した。この心訓は福澤諭吉が言ったものではないらしいがそんなことはどうでもいい。その心訓の内容に意味があるのだ。
心訓
1.世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。
1.世の中で一番みじめな事は、人間として教養のない事です。
1.世の中で一番さびしい事は、する仕事がない事です。
1.世の中で一番みにくい事は、他人の生活をうらやむ事です。
1.世の中で一番尊い事は、人の為に奉仕して決して恩にきせない事です。
1.世の中で一番美しい事は、全ての物に愛情を持つ事です。
1.世の中で一番悲しい事は、うそをつく事です。
お二人が仰っていることは、本当にプリミティブな人間としての原理原則を徹底して心に刻み、自分に嘘をつかず、「世のため人のために尽くす」ことだ、ということだ。福澤諭吉翁の心訓とも一致する。
当たり前のことがなかなかできない。当たり前のことを意識して考動することだ。
小林 博重