稲盛和夫さんは、人間には「自燃性」と「可燃性」と「不燃性」の3種類があると仰る。
私のパートナーたちや学生リーダーたちを考えてみるに、彼らは「自燃性」か「可燃性」のいずれかだ。「不燃性」の人間は私の周りには集まってこない。
そのなかでもリーダーになるのは「自燃性」の人間だ。長嶋茂雄さんがジャイアンツのV9の時代から「燃える男」と呼ばれ、国民的英雄だった。長嶋さんは「自燃性」人間の最たる代表者だろう。しかし、組織のリーダーとしては対局にあった野村克也さんが一枚も二枚も上手だろう。野村さんは「王や長嶋はひまわり、私は野に咲く月見草」と名言を発しているが、 月見草がリーダーのリーダーとしては相応しいのだと思う。
ひまわりは、ひまわりを支えるパートナーがいて、リーダーとしての役割を果たすことができるのだろう。そのバランス感覚はリーダーにとって非常に大切だと思う。
「おれが、おれが」の人はリーダーにしてはいけない。リーダーには誰にでも好かれる愛嬌(「男は度胸、女は愛嬌」と言われるが、これからは「男は愛嬌、女は度胸」の時代だ)、それに自分の弱点を見つめ、それをカバーしてくれる相棒(パートナー)を深く信頼して任せることができる器量と謙虚さが必須ではないか。
「自燃性」の人間であっても、謙虚さと「おかげさま」の感謝の心を持っていない「おれがおれが」の人は、リーダーにしてはいけない、リーダーとして相応しくない人だと思う。
『おれがおれがの我をおさえ、おかげおかげの下で生きよ』
心したい箴言である。
小林 博重