稲盛和夫さんは、経営講話で以下の呂新吾の箴言をお話しされる。
深沈厚重是第一等資質
磊落豪雄是第二等資質
聡明才弁是第三等資質
人物やリーダーの資質として、深沈厚重(しんちんこうじゅう)なるは、是れ第一等の資質なり。
磊落豪雄(らいらくごうゆう)なるは、是れ第二等の資質なり。
聡明才弁(そうめいさいべん)なるは、是れ第三等の資質なり。
政府・与党は、検察官の定年を政府の判断で延長できる検察庁法改正案の今国会での成立を断念した。この問題の発端となった黒川弘務検事長が緊急事態宣言が出ている5月初旬に新聞記者たちと賭け麻雀をしていたことが週刊誌で報道され、それを本人は認めたようだ。
与野党から辞任を求める声が上がっており、本人も辞意を漏らしているそうな。
2月に政府が肝入り・無理筋で、黒川氏の定年延長を通した。その人が、よりにもよって、国民が自粛している時に、賭け麻雀とは如何に。
黒川氏は、余人を持って替えがたい「聡明才弁」な検察官なのだろう。しかし、この「聡明才弁」な人物はリーダーとして第三等の資質なのだと呂新吾は言っている。
本当にこういう事例はこの黒川氏のみではない。高級官僚をはじめとして、一流企業のトップの不祥事は東大卒をはじめとした聡明才弁な人物ばかりではないのか。
彼ら聡明才弁な人物を選んでいる政治家先生たちはもっと聡明才弁なのではないか。さすれば、彼らたちは第三等の資質しか待ち合わせていないのか。
コロナ感染拡大のなか、中小企業の経営者たちは死に物狂いで生きている。真っ直ぐに生きている人たちだ。
彼らのほとんどは、抱えている社員たちやその家族を何とかしようと頑張っている。彼らこそ、深沈厚重な人物なのではないか。
頼みます、政治家先生。
「先生と呼ばれるほどのバカでなし」
と言われない世のため人のために尽くす本当の政治家になっていただきたいと切に思う。
小林 博重