5月1日の日本経済新聞朝刊に「コロナ時代の仕事論」で、一橋大学の楠本建教授が、「他人と自分を比べない」と題して書いている。
そこから一部を抜粋する。
「人はそれぞれ自分の価値基準で生きている。人は人、自分は自分。ほとんどの場合、比較には意味がない。
仕事ができる人ほど出来合いの物差しで他人と自分を比較しない。本当にスゴイ人は他人との差分で威張らない、自分のダメなところ弱いところを自覚し、自分の強みはあくまでも条件つきで全面的に優れているわけではないことをわきまえている。だから威張らない。
自分一人ですべてに秀でる必要はない。世の中にはいろいろな得手不得手の人がいる。そうした人々の相互補完的な関係が仕事を成り立たせている。それが社会の良いところだ。他人を気にせず自分と比べず、いいときも悪いときも自らの仕事と生活にきちんと向き合う。それが大人というものだ」
他人と自分を比べるから「自衛警察」や「県外の車に危害を与える」ようなことが起きる。賢い人は、しっかりと自分を持っている。
また、4月30日の日本経済新聞夕刊の「私のリーダー論」では、青山学院大学陸上競技部の原晋監督が「リーダーに必要な資質とは何か」の質問に答えている。
「まず、問題に対して逃げ出さずに対応することだと思います。問題の原因が組織にあるのか、個人にあるのか。責任の所在はどこにあるのか。人間関係が絡み、しがらみがぶら下がっていることもあります。実際に起きたことを紐解いて、根本にある原因を特定する。その上で、ごまかさずに強い思いを持って向き合うことが重要です」
素直に自分自身を見つめること。謙虚に自分の不得手を見つめ、その足らずを補う仲間をつくること。そして、本質を見抜き、その問題にチームとして一丸となって向き合い、その問題解決を図ることだ。
小林 博重