『哲学』を持つことの意味

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日経朝刊(12.26)に、日本電産が日産自動車の関潤副最高執行責任者(COO)を次期社長含みで迎えることを「カリスマの苦悩」と題して、記事にしている。
その中身は、日本電産永守さんだけではなく、ソフトバンクG孫さん、ファーストリテイング柳井さんの事例も出して、超カリスマ経営者ならではの後継者探しの難しさが述べられている。
このお三方は後継者を選んだものの、いずれの後継者も創業者のお眼鏡に叶わなかったようで、創業者は元の鞘に収まっている。しかし、組織はゴーイングコンサーンであり、そのバトンタッチをスムーズにしていかないと、組織のミッションを果たしていくことはできない。
永守さんは述べている。
「10年間苦しんだのが後継者問題だった。カリスマがいればそれが一番いい。でもどれだけ探してもいないのだ」と。そして、今回の関さんが3人目だ。 ソフトバンクもファーストリテイングも同様だ。
創業者の後継者は優れた経営者候補者であっても、そのカリスマは個人的なものであり、それを引き継ぐことは無理なのだから、そのスムーズなバトンタッチを成し遂げることは超難問と言える。
では、同じ超カリスマ経営者である稲盛和夫さんが創業した京セラはどうか。
京セラは稲盛和夫さんの後、内部昇格を中心に7人の社長が引き継いで今日に至っている。
その差は何なのか。
それは稲盛さんの経営哲学であり人間哲学である「京セラフィロソフィー」にあるのではないか。
カリスマが強烈であればあるほど企業経営では強みになりうるが、一方で権限の継承は難しい。
しかし、その難問をクリアする解答は「人間として如何に生きるか」を追求する『哲学』を持つことにあるのではないか。
過日のOUEN望年会で、盛和塾京都の堀昌浩さん(恵巧建設社長)から、木のケース入りのセラミック万年筆を頂戴した。その木のケースには人生方程式(人生・仕事の結果=①考え方✖️②熱意✖️③能力)が記されていた。 掛ける項目は3つあるが、その中で一番大切なものは①の考え方だと。考え方は「人間如何に生きるか」という人間哲学であり、その考え方が人生や仕事の成否を決するのだ。
考え方を極めることで、私の器量の範囲ではあるが、世のため人のために尽くす人生を生き抜きたいと思う。
小林 博重