老いと人生を考える。

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銀行を44歳で退職してからというもの、ほとんど小説を読んだことがない。専ら、エッセーか評論に偏っている。それは、44歳以降の人生が私にとって小説のようなものであり、生きることは小説を読んでいるようなものだと思っているのだろう。エッセーや評論は私のビジネス(=生き方)に非常に参考になると思って読んでいる。
私が読んでいるのは、松下幸之助さんや本田宗一郎さん、そして一番は何と言っても稲盛和夫さんが書かれた「生き方に関する人生哲学」だ。それと曽野綾子さんのエッセーも愛読書だ。
ところが、最近本屋で手に取って買っているのが「老人や死に関する本」が増えてきた。如何に生きるかは如何に死ぬかであり、死生観の確立が人生の幸せにつながると思うから、それは何の不思議はないのだが、やはり私も還暦を過ぎて、120歳まであと半世紀はあると思っていても、自らの体調の変化を自覚するにつけ、若い時には遠い存在だった「死」を強く意識する歳になったのかと感慨深いものがある。
本棚に並んでいる最近買った本、年末年始の休みに読んでみようと買った本だ。
「老いと記憶」(中公新書)
「老人の美学」(新潮新書)
「老いのゆくえ」(中公新書)
「死とは何か」(文響社)
私のビジネスやボランティアは人と人との出会いを作るものだから、精神は未だ青春ではあるのだが、如何せん肉体は至るところガタが来だしており、日々病院にお世話になっている。それを騙し騙しして、あと53年間生きていこうと思っている。いつあの世から思いがけず「こっちにいらっしゃい」とお声がかかるやもしれず。
私には53年の時間があると悠長に構えているわけにはいかないのだと思う。何とかこれからの10年間の内に、OUEN Japanをゴーイングコンサーンにしなければならないと思う。
ありがたいことに、福岡・北九州でOUEN塾が一定の評価をいただき軌道に乗りつつある。これを核にして、学生・留学生や企業のために深掘りする事業を展開したい。それは石川県にも派生するだろうし、アナログとデジタルの融合によって横展開もできるだろうと思う。ここ1〜2年が勝負どころだ。
12月は私にとって、落ち着いてこれからの人生の在り方を考える「ゆとりの一月」である。
小林 博重