生きとし生けるもの全て、自分が一番かわいい。それは生物としての持って生まれた本能であり、唯一の利他的動物である人間も変わることはない。思考はまずその原点からスタートする。
アメリカファーストとか都民ファーストとか、昨今は「○○ファースト」ばやりだ。アメリカのことを第一に、都民のことを第一にと、まるで当然なことであるかのように声高に叫ぶ。勿論当然なことではあるが、敢えて「私は利己主義者であります」などと大衆にアピールする必要はない。そこからは、利己主義をアウフヘーベンする人間らしい思いやりの心は生まれないのではないだろうか。
人間は全て利己主義者であることを大前提にして、それを知情意により如何にしてもアウフヘーベンしていくか、が問われるのだ。利己主義を極めて利他主義に至るというアウフヘーベンができるかが問われるのだ。
トランプ大統領は、アメリカファーストと叫ぶのなら、アメリカは世界のリーダーとして、アメリカファーストをアウフヘーベンして他の国のために尽くすことをしなければならないのではないか。
小池知事も然り。東京は揺るぎない日本の首都であり、世界に冠たる都市なのだから、東京以外の地方自治体の地域活性化のために東京が何をできるか、という発想を持つべきではないか。
私はOUEN JapanとMapを通して、多くの企業経営者や団体役員とお会いするが、利己主義をアウフヘーベンすることを呻吟している方々をあまり見受けない。もっと自らの思考を極めて生きることをしてほしいものだと思う。
勿論、私とて同様だ。一層の精進が求められることは論を待たない。精進に精進を重ねることだ。
小林 博重
iPhoneから送信