JALの機内で、昨日Amazonから購入した「幸せな職場の経営学」〜「働きたくてたまらないチーム」の作り方〜(前野隆司著。小学館)を読みだした。
「はじめに」を読んだだけで、私が日頃感じていることが科学の視点で理論的に語られているのだろうと思った。
はじめに から
〜「幸福学」とは、幸せに生きるための考え方や行動を「科学的」に検証し、実践に活かすための学問である。
毎年、ホワイト企業大賞にノミネートされる企業の多くが、業績面においても非常に好調であることは特筆に値する。社員や会社の幸福度と業績は比例する。
従来のトップダウン型のリーダーシップから、リーダーが組織に貢献しようとするサーバント型(支援型)のリーダーシップ、コンパッション(慈悲や思いやり)に重きを置くリーダーシップ、対話を重視する調和型リーダーシップなど、時代の流れとともに、組織やリーダーのあり方そのものが大きな変革期を迎えている。
優秀な一部のトップが考え抜いた末の判断の下で大勢を引っ張っていく組織よりも、答えの見つからない世界においては、組織メンバーそれぞれが多様な工夫や試行錯誤を惜しまないことのほうが有効だ。そして後者においては、社員が幸せで、生き生きワクワクしていることが鍵になる。幸せな人は創造性も生産性も高く、リーダーシップを発揮して未来型の組織形態をリードしていける人だからだ。
AIは、ビッグデータを分析することは得意だが、人と人がつながり合ってワクワクしながら生み出すような発想力は今のところない。イノベーションというのは、多様性の中であらゆる価値観を融合させることによって生み出されるものだから、それにこそ、人が介在する価値が生まれるのだ。
そのため、これからのリーダーには、人と人、顧客と社員など横のつながりを創出できるようなリーダーシップ力が求められる。すなわち、いかに良いチームを作れるか、いかにお互いが信頼し合いながら自由な発想でチャレンジし合える土壌を作れるか。
「このチームだと楽しい」「チームのために頑張れる」という「場」や「つながり」を創り出し、提供できる調和型のリーダーこそが、これからの真のリーダーになると言えるだろう。
幸福度が高い従業員は、そうでない従業員よりも創造性が3倍高く、生産性は31%高いという研究結果がある。幸福度が高い従業員は、欠勤率や離職率が低いといった研究結果もある〜
昨今の「働き方改革」は 「時短による効率化」に留まる傾向がある。そして「残業代が減って生活が苦しくなった」という、本来の「働き方」を見直すことから外れてしまっているところがある。
働く意味は、もちろん「お金を稼ぎ、生きる」という形而下的一面があるが、人間であるなら、働く意味を形而上の精神の向上を追求する観点から考えるべきものと、私は思う。
人はお金だけでは動かない。お金だけでは幸せになることはできないのだ。
小林 博重
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