人は人のために生きる。

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「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格がない」
レイモンド・チャンドラー著作の小説の探偵が発した有名な台詞だ。人間として生きる資格を語った箴言だ。
この濁世を生きていくためには、人と比べて秀でたものを持つ必要がある。誰にも負けない強さや逞しさだ。
しかし、人は独りでは絶対生きていくことができない。人の力を借りることをしなければ、ただ強いだけでは絶対独りでは生きていくことができない。
また、明朗快活、素直、正直、誠実、真っ直ぐ、愚直、前向き、等々、人に好感を持たれる性格は上記の言葉で表現されるが、そこには人間の心の襞の深さがなければ、子どものままの浅薄な人間でしかなく、心が成人の大人とは言えないだろう。
人は人のために生きる。
そこには人間としての優しさが不可欠だが、その優しさとは、恕の心を持つこと、人への思いやりを持つことだ。
では、思いやりとはどうして培われるのか。読書すること、人の話をよく聴くこと。いろいろな経験を積むこと。そして、そこに人の哀しさ、愛らしさ、情愛の深さを感受すること。人情の機微を感じ取る感受性豊かな心を持つことだ。 優しさの中には涙がなければその優しさは深いものにはならない。
人は人のために生きる。
そんな人になりたいものだ。
小林 博重
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