昨日、関脇貴景勝関が正式に大関昇進を決めた。弱冠22歳の若武者だ。
貴景勝は伝達式でまた素晴らしい口上を述べた。「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進してまいります」 貴景勝は元貴ノ花親方の薫陶を受けて今日の地位まで上り詰めた。きっと強いばかりが大関だとは思っている昨今の横綱大関とは一味も二味も違う。心がある武士と思う。
口上のポイントは、
⑴武士道精神
⑵感謝
⑶思いやり
⑷精進
の4つだ。
⑴武士道とは、正々堂々と戦うことだ。貴景勝の四股名の由来は、貴ノ花が尊敬する上杉謙信の後継者である上杉景勝に由来するとか。上杉謙信は、最大の好敵手であった武田信玄が北条から塩の供給を絶たれて窮地に陥った時「我の公(武田信玄のこと)と争うところは、弓箭(ゆみや)にありて米塩にあらず」と書き送って、米と塩を武田に送ったという。
武士道精神とは、分かりやすく言えば、以下の10項目だ。
①嘘を言わない。
②利己主義にならない。
③礼儀作法を正す。
④上の者にへつらわず、下の者を侮らない。
⑤人の悪口を言わない。
⑥約束を破らない。
⑦人の窮地を見捨てない。
⑧してはならないことをしない。
⑨死すべき場では一歩も引かない。
⑩義理を重んじる。
心したいことだ。
⑵感謝と⑶謙虚
人は独りではできることは限られている。想いが大きいほど、その想いを果たすためには大勢の人たちのご支援ご協力が不可欠だ。彼らに感謝すること。事が成就してもそれはご支援ご協力していただいた皆さんのおかげさまだと思う謙虚さを忘れてはならない。
⑷精進
人は一生、精進努力をして進歩成長する動物だ。精進努力を忘れた人間は人間ではない。
貴景勝関が、この口上を胸に刻み、更なる高みの横綱になることを心から期待する。
小林 博重
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