1週間ぶりの事務所だ。月〜金の仕事が溜まっている。勿論、私宛に来たメールは全てスマホで見ることができるので差し障りはないが、事務処理は出張先ではできない。手紙やはがきも届いている。宅配の不在届も郵便受けに入っており、届けてもらう連絡もする。なんだかんだで、事務処理に半日かかる。
秘書を置くような身分ではないし、秘書の給料を支払うほど稼いでいる身ではないが、もしそうであっても私は一匹オオカミが気楽でいい。いつからかそのような心境になった。それは人間に対する価値観が大きく変わったせいだろうと思う。人間の偉さは決して身分や外見ではないと悟ったからかもしれない。自分が自由人になったようで、ちょっと嬉しい気分になる。まぁ、いいことだと思う。
午後はデリカフーズの前社長の丹羽真清さん(現取締役未来開発最高役員)を訪問した。丹羽さんは戦国武将の丹羽長秀の子孫だ。NHK朝ドラの「まんぷく」で松坂慶子演じる「武士の娘」ではないが、やはり先祖は戦国武将かと思わせる迫力がある。人間、筋が通っている。ブレない哲学を持っていらっしゃる。舘本オーナーが三顧の礼を尽くして迎え入れた人物だ。
私は、もう10年に経とうか、舘本オーナーと丹羽さん(その時は専務取締役であった)に初めてお会いした時、お二人からお聞きした話が頭を離れない。それは、経営者は哲学者でなければならないと感じたことだ。
「デリカフーズのミッションは日本人の健康寿命をできるだけ伸ばすことだ。平均寿命と健康寿命の差は約10年ある。人生100年時代、ピンピンコロリの人生が幸せな人生だ。野菜を食べて健康寿命を伸ばす。コンペチターは薬品業界だ。国民医療費を増大させることなく健康寿命を伸ばすことだ。同業はその仲間であってもコンペチターではない。そのために、デリカフーズは、健康寿命を伸ばすための野菜の役割を啓蒙していく」
私は、デリカフーズのために私ができることをしていきたいと思った。ビジネスの目的は金儲けではない。社会貢献があって、そのために金儲けがあるのだ。
今日は、丹羽さんの想いに応えるために、私からの提案を持参した。丹羽さんは「デリカフーズの仕事自体が社会貢献であると思うが、人生還暦を迎えるようになって、社会貢献それ自体をしたいと思うようになった。生まれてきた証として、社会への遺産として何かを残したいと思う」と。私もそのように思う。我が意を得たりだ。素晴らしい。人間はそうでなくては、できた人間ではない。
私もOUEN Japanを通じて、私しかできない社会貢献をしていきたいと思う。
小林 博重