感嘆詞を発する毎日でありたい。

投稿者:

産経新聞のオピニオンコーナーの「話の肖像画」に、NHK元看板アナウンサーの鈴木健二さん(90)がインタビューで答えている。「老後は75歳からでいい」と。
鈴木さんは、NHK定年後、選挙の出馬や民放、企業からのオファーをすべて断り、熊本県立劇場、青森県立図書館の館長として、村おこしや障害者と健常者のコンサートの開催など「公益性」の高い仕事を続けてこられた。
鈴木さんのコメントに私は「エェー、鈴木さん、そうだったの?」と、ちょっと意外で驚いてしまった。
〜NHKの36年間、ひとの4倍、5倍も働いて最後は“テレビのシーラカンス”と呼ばれました。退職時「NHK始まって以来の退職金です」と言われて渡された金額を見たら1桁足りないんじゃないか、って聞いたくらい少なかった。送別会はなし、見送ってくれる人もゼロ。同僚と酒を酌み交わしたこともなかったし、私には、一人の友達もいなかった。人の役に立つ仕事なんて何一つやっていなかったことにも気付きました。 各方面からのお誘いはなかなかの条件でしたから、受けていれば今ごろ“左ウチワ”だったでしょう(苦笑)。だけど私は「定年後は人のために生きる」と決めていました。
超高齢化社会になった現在、「老後」は75歳からでいいんですよ。75歳までは「老前」。やることも行くところもなくて一日中、テレビを見て過ごすなんて生活はダメです。年金をアテにしてはいけません。「老後」のためにもバリバリ働きましょう〜
鈴木さんもサラリーマン。それも自他ともに認めるモーレツサラリーマンだった。
退職金も少ないし、心の友達もいない。人の役に立つ仕事は沢山されたと思うが、ご本人は何一つやってこなかったと。宮仕えとはそんなものかもしれない。
その鈴木さんが各方面からのお誘いをすべて断り「人のために生きる」という、お金にならない、しかし人のために生きるという心豊かな人生を送っていらっしゃる。老後は75歳と仰るが、卒寿の今でもバリバリお仕事をされている。生涯現役を地でいっている。流石、超一流の生き方をされている。
昨日、フォトグラファーの崔(チェ)さんが、彼女が写した私のパネルを持っていらした。
彼女がいうには、「フォトグラファーは哲学者」でなければならないのだとか。
そのために、以前勤めていたフォトスタジオでは、いろいろな本を読んで、その感想文を書いていたそうな。
特に人物を撮ることは、その人の心の深奥を撮ることになるので、その人の生き方や考え方を抉り出す写真を撮らなければならないと。
こちらも、「へぇー」だ。
「エェー」や「ヘェー」の感嘆詞を発することは、感動することだ。感嘆詞いっぱいの人生を送りたいものだ。
小林 博重
iPhoneから送信