富山から帰る新幹線車中で考えます。
北陸新幹線が開業して2年が過ぎました。金沢でタクシーに乗って運転手さんに金沢の活況度合いをヒアリングしてみると、皆さん一様に仰ることは、 「開業の時の喧騒にも似た観光客の来沢はなくなったが、観光客は開業前と比較しても安定して増えている。特に休日は多忙を極め、北陸新幹線の偉力は素晴らしいものがある」 との回答です。
石川・金沢は加賀百万石の城下町であり、海山の幸に恵まれ、好対照な加賀と能登を従えている魅力的な地方都市です。また、旧制第四高等学校があった学術の街でもあります。北陸新幹線開業で一番光が当たっている都市だと思います。
今日は金沢から富山に入って富山の会社をお訪ねしたのですが、一献傾けながら社長が
仰るには、
「富山が金沢と競争するというのは富山にとって何もいいことはない。富山は富山らしさを如何にしてアピールするか、絶対的な富山の差別化をするベきなのだ」
スマップが歌う「.世界に一つだけの花」の世界ですね。相対ではなく絶対の差別化です。
勝者は相対で相手と比較します。それで勝ったならば勝ちに驕り、間々人間として大切なものを忘れてしまうことがあるような気がします。
相対で敗けても、自分自身の絶対的な得意技を見つけ、それを磨き上げることによって、人間的な奥深さや心の襞をさらに深いものにする。味がある人間、人の心が分かる人間に成長することができるのかもしれません。
人間、苦労して強くなるのです。優しくなるのです。
エリートでないほうが幸せな人生を送ることができるのかもしれません。
小林 博重
iPhoneから送信