宇宙の流れに沿う人生を送る

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今朝は久しぶりに過ごしやすい朝です。昨日の集中豪雨のせいというよりも、北の海の海面温度が低く、関東地方に吹く風がそちらの方から吹いているせいだとか。
西欧の「山を征服する」という表現に代表される『人類の進化論』は「自然を征服することだ」という人類の驕りがあって、そのしっぺ返しが自然から地球に来ているのではないでしょうか。それに引き替え、日本古来の自然観は「山川草木すべてに百万の神が宿っている。神が宿っている自然と如何に調和していくのか」と言う“自然への敬意・敬慕”“自然との調和”がベースにあります。それゆえ「大きな宇宙の意志に従い、その流れに沿って生きていく」という人生哲学に回帰する時代に日本は復古する必要があるように思います。当に『温故知新』です。
若い時、私は、「これからの長い人生は夢と希望に溢れている」バラ色の人生観は持ち合わせていませんでした。
青春の日々は楽しいことの連続でしたが、漠然と我が人生の行く末に不安がある。濁世に染まって生きていくことに不安がある。自分も「つまらない大人」のような人生を送って行くのだろうか。濁世の大きな流れに掉さして生きることなどできるはずもないと。
私における青春から朱夏の時代は、漠然とながら汚染されていく自分を想像して不安が募る時代であったと思います。それが現実になったのが40代の半ばだったのです。銀行を辞めて紆余曲折を経て、還暦を迎え、20年を経て、今、当に、前期高齢者(65歳以上、75歳未満)の仲間入りを果たすのです。
歳を取ることは死に近づくことです。歳を取ると死の恐怖は増すのではないか、人生だんだん夢も希望も消え失せていくのではないかと思われがちです。
しかし、豈図らんや、私の人生観は「誕生から還暦までの60年間の経験を肥やしにして(リハーサル期間60年)、これからの60年が人生勝負の期間なのだ。還暦を過ぎた60歳からの60年間が本番なのだ」と言うものに、明るく前向きなものにアウフヘーベンされたのです。
一匹狼や一本独鈷とか言っても、多くの人の支えがあっての孤高の人生です。大きな宇宙の流れに掉さすことなく、60年間で磨き上げた私独自の個性をフルに発揮することによって、後半戦の人生を正々堂々と生き抜いていきたいと思います。
小林 博重