成功する経営者の心根

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どんなベンチャー経営者が成功するのか?
私は銀行時代から現在のビジネスコラボレーションサポートビジネスに至るまで、様々な経営者にお会いし、特にベンチャービジネス経営者には私の得意技で彼らの夢の実現に何らかのサポートができないか、それが私のミッションなのではないかと、40有余年の長きに亙って思い続けてきました。
私自身はベンチャービジネスを立ち上げる能力は持ち合わせていないことは自覚していますので、現在の私は、培ってきた人脈を駆使することにより、業務面でのサポートをしていきたいと思っています。
サラリーマン経営者以上にベンチャー経営者はビジネスの才能や才覚が不可欠と思います。
また、彼らの熱意は寝る暇も削るほどの熱意と商品やサービスへの思い入れがあります。この「才能・才覚・能力」と「熱意」に関しては、私は尊敬の想いを持って感じ取ることができます。
しかし、なかなか一朝一夕に掴みきれないのが、肝心要の「人格」「人生哲学」「考え方」です。分かったようで分からない時があります。その眼力を磨くには、百戦錬磨の人生経験を経ることにより、自らの人格を陶冶することが不可欠と思います。加えて、素直にメンターの意見に耳を傾けること、優れた書籍からヒントを貰うことです。
私の座右にはいつも稲盛和夫さんの書籍「生き方」「考え方」を置いており、悩んだ時は絶えず何度も目を通します。
稲盛語録は脳裏に染み込んでいるはずなのですが、改めて読み返してみるとハッと気がつくことがあります。分かったつもりは実はまるで分かっていないのです。人生、日々が修業なのですね。
世間には高い能力を持ちながら、心が伴わないために道を誤る人が少なくありません。自分さえ儲かればいいという自分中心の考えから、不祥事を起こす人がいます。
才覚が人並みはずれたものであればあるほど、それを正しい方向に導く羅針盤が必要となります。その指針となるものが、理念や思想であり、また哲学なのです。
哲学が不足し、人格が未熟であれば、いくら才に恵まれていても「才あって徳なし」、せっかくの高い能力を正しい方向に活かしていくことができず、道を誤ってしまいます。
人間が生まれながらに持っている性格と、その後の人生を歩む過程で学び身につけていく哲学の両方から、人格というものは成り立っている。つまり、性格という先天性のものに哲学という後天的のものを付け加えていくことにより、私たちの人格は陶冶されていくわけです。
京セラは「嘘をついてはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」「正直であれ」「欲張ってはならない」「自分のことばかり考えてはならない」など、誰もが子どものころ親や先生から教わった、そして大人になるにつれて忘れてしまうの単純な規範を、そのまま経営の指針に据え、守るべき判断基準としたのです。
このシンプルでプリミティブな教え、古来培ってきた倫理や道徳が、経営=人生哲学なのです。そのような経営哲学を持っている経営者は思いの外多くありません。
OUEN Japanは人を創るNPOです。
問題ある経営者を「他山の石」と心得、まず私自らが若者の手本となるべく襟を正して生きていこうと思います。
小林 博重