寮歌と青春

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今朝は3時過ぎに目が覚めました。事務所でパソコンに向かい加藤登紀子さんが歌う『日本寮歌集』を聴いていると夜が白んできます。
寮歌には若人の意気と悩みと歓びが込められており、当に青春そのものです。その歌詞と曲は寮生が自ら作詞作曲したものであり、その多感な感性を今の私が持ち合わせているかと思うと忸怩たるものがあります。
寮歌は二千余曲あるそうですが、そのなかでも「嗚呼玉杯に」(第一高等学校→東京大学)、「紅萌ゆる」(第三高等学校→京都大学)、「都ぞ彌生」(北海道帝国大学予科→北海道大学)は日本三大寮歌と言われています。それぞれ味わいが異なり、私は間々そのときの想いに応じた曲を口ずさんでいます。
治安の夢に耽りたる栄華の巷低く見て向ヶ岡にそそりたつ五両寮の健児意気高し
清き心の益荒雄が剣と筆とをとり持ちてひとたび起たば何事か人生の偉業成らざらん
緑の夏の芝露に残れる星を仰ぐ時希望は高く溢れつつ我等が胸に沸返る
嗚呼故里よ野よ花よここにも萌ゆる六百の光も胸も春の戸に嘯き見ずや古都の月
都ぞ彌生の雲紫に花の香漂ふ宴遊の莚尽きせぬ奢りに濃き紅やその春暮れては移らう色の夢こそ一時青き繁みに燃えなん我胸想を載せて星影冴かに光れる北を人の世の清き國ぞと憧れぬ
昨日、OUEN学生リーダーミーティングがあり、女子学生たち3名が事務所に来ました。
雑談のなかで「いつの時代がいいか」という話が出て、みんな「大学1年生が良かった。できれば大学1年生に戻りたい」と。
大学1年生は「受験勉強から解放され、これから大学生活を堪能しよう」と思うのでしょう。大学を卒業し社会人として羽ばたくことは夢があって楽しみでもありますが、社会の荒波に揉まれ少しづつ汚れていかざるを得ない性を懸念する点もあるのでしょうか。
人生60余年を生きてきて「心は青春の意気そのもの」です。
もう一度その時代に戻りたいかと問われると、それもありかと思いますが「今までの我が人生は幸せだった。七転八倒、紆余曲折の連続ではあったが、今までの人生とは違う道を歩いてきたら決して素晴らしい君たちに会うことはなかった。それを思うと、今までの人生の行程を後悔していない」と思うのです。
人生は大小さまざまな決断の連続です。未熟者ゆえその決断の巧拙については反省すること頻りですが、毎日の反省によってレベルの高い決断ができるようにしていけばいいのではないでしょうか。この『反省』が肝ですね。そんなことを、40歳以上年下の若者に話しました。
あいだみつおさんの「一生青春、一生燃焼」。そんな人生を送りたいものです。
小林 博重