藤井聡太四段に思う

6月28日産経新聞文化欄に作家の大崎善生さんが「異次元14歳」の題目で藤井聡太四段のことを書いています。
〜羽生七冠誕生のときも社会現象化するようなすさまじいフィーバーとなったが、今回はそれを超えているのではないだろうか。デビューしたばかりの新四段が、そんなブームを巻き起こしたことには驚くしかない。 加藤一二三九段の14歳7ヶ月の記録を破り中学生棋士になったこと。もちろんそれがブームの要因なのだろうが、しかしどうしてもそれだけでは説明がつかない。
ブームの最大の要因。それは藤井聡太のかわいらしさにあるのではないだろうか。藤井はいつ見ても飾らず、ごく自然体でニコニコしている。羽生とか谷川浩司九段とか天才と名高い棋士も多くいたが、彼らは一様に研ぎ澄まされた刃のような雰囲気をまとっていた。近寄りがたいといえば近寄りがたい。しかし藤井はごく普通なのだ。どこにでもいる頭のいい中学生と見た目は何も変わらない。いつもただニコニコしていて、そんな親しみやすさが放っておけない存在として注目されだしたのかもしれない〜
また、曽野綾子さんはオピニオン欄のエッセイ「透明な歳月の光」で、
〜人生は予測もできないし、やり直すこともできないのだけど、何歳になっても一瞬一瞬が勝負という面もあるのは楽しい。
将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段は、14歳で竜王戦決勝トーナメント1回戦で勝ったが、私たちは勝ちに強くなるよりも、自然に人間的に負ける技術に長ける面を学ばねばならないだろう。 野生動物の世界では、負けると雌も失うし、餌にもありつけない。しかし人間は、負けても実に得る面は多い〜
勝者がいれば必ず敗者がいます。
藤井四段の謙虚な人柄は人を惹きつけ、羽生三冠を超える棋士に大きく成長することと思います。私はこの大天才から素直に多くのことを学びたいと思います。
また、彼の連勝の陰には、同じく天才と呼ばれた多くの棋士がいるわけで、曽野綾子さんが言うところの「自然に人間的に負ける技術に長ける」ことから人間の成長があることは絶対の真理だと思います。
人間は勝っても負けても日々が学びの連続であり、要は「不屈の精神で明るく前向きに生きること」で成長するのだと思います。
小林 博重
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