安田信託銀行信交会懇親会に出席して

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ホテルグランドパレス(九段)で年1回定例の信交会懇親会がありました。信交会は、旧安田信託銀行とみずほ信託銀行のOB・OG会です。約300名の会員が集まり旧交を温めました。みずほ信託銀行飯盛社長からの業績報告、会員の米寿(88歳)、喜寿(77歳)のお祝いや物故された会員への黙祷があり、約2時間に亙る懇親会でした。
信交会員は、銀行からの紹介により関連会社や取引先に勤務している人、ボランティアに精を出している人、何もせずに年金生活を送っている人。中には勤め先を自力で開拓した人もいますが、私のような一本独鈷の人はいません。
私は長年人事部に属しておりましたので、社員の人事考課を見て人事異動の作業をしておりました。評価は、A、B、C+、C、D、Eですが、一度低い烙印を押された人はなかなか評価アップは叶わないのが現実でした。私は、人事評価がその人の人間性の評価であると思っておりました。それは人事部を離れても銀行時代はそのような思いを持っていたように思います。
しかし、銀行を退職し外から彼らを見ると、見方は自ずから主観的から客観的になります。そして実感したことは、会社で偉くなっても人間的レベルは高くない人が少なからずいるということです。むしろ、自分に正直に生きている人は偉くならなくても人間的に魅力があり、幸せな人生を送っているとすら感じました。たかだか井の中の争いです。井の中の蛙で偉くなったところで、人間ができていなかったら捻くれて不幸な人生を生きていくことになるのです。
私はベンチャービジネスの新規開拓をしておりましたが、ベンチャーの社長のなかには熱意や能力が高いだけではなく、経営哲学を確りと持った魅力的な方が少なからずいらっしゃいました。それは学歴とは全く関係はありません。それを肌で感じたとき、私の人生観はコペルニクス的に180度変わったと思います。
紆余曲折を経て44歳で自己都合退職をしましたので、企業年金はなく生涯現役で働くことを余儀なくされています。
しかし逆に、お金に恵まれていないことが、生涯現役・終身現役・極め付きは永久現役(棺を覆うた後も魂は死滅しない)の人生哲学を持つことに至ったことを思うと、今の私は誰よりも生甲斐を持ち、人生を楽しんでいる幸せ者だと思うのです。
物の見方・考え方で人生は180度変わるものです。「神は乗り越えられる試練しか与えない」と言われるように、与えられた試練を有難く乗り越えるプラス思考を持って人生を楽しく生きることです。
小林 博重