日本専売公社、日本電信電話公社、日本国有鉄道の三公社は中曽根内閣により民営化され、それぞれ日本たばこ産業、NTTグループ、JRグループに民営化されました。未だ公務員気質はなくなったわけではありませんが、民間会社になってビジネスマインドは大いに高まったと思われます。JR九州は鉄道会社と言うよりもディベロッパーです。如何ともしがたいデメリットを、視点を変えてメリットにしてしまう。そのしたたかさが民間企業なのです。発想の転換です。民間企業は見習うべきです。特に、窮地に陥っている民間企業は発想の転換で背水の陣を曳いて不退転の決意を以って見習わなければ再生はないでしょう。
このことは人を育てなければならない大学にも言えることです。国立大学は2004年(平成16年)に国立大学法人に移行しましたが、果たして国立大学の教職員は大学を自主・自立的に運営するマインドに替わっているでしょうか。
私はOUEN Japan団長として国公私立大学を訪問することが多いのですが、国立大学と私立大学の職員に意識の差を痛感することが以前にも増して多くなってきました。それは、留学生受け入れ数の倍増のミッションを受け、私立大学は当に株式会社になったかのようにビジネスマインドが高まっているのに、国立大学は全く旧態依然で事務をこなせば事足れりと考えている節が見え見えだからです。
彼らは一部の意識が高い職員を除いて第一に学生や留学生のことを考えていない。本来、公務員は国民の公僕であり民間を導かなければならない立場です。国や地方自治体に寄りかかっていて何が公務員かと、若気の至りの私などは「怒髪天を衝く」思いを持つのです。
OUEN JapanはNPOでありできることは微々たるものです。いろいろな方々のお力をお借りしてはじめて想いを形にすることができるのです。現状を客観視して、それを前提にできることから地道にコツコツ努力することで見えてくるものがあると思い、精進努力を重ねようと思います。
小林 博重