齋藤孝さん監修の『こども菜根譚』(日本図書センター)から
〜世に処(お)るには、一歩を譲るを高しとなす。歩を退(しりぞ)くるは、即ち歩を進むるの張本なり〜
(意味)相手に譲った一歩は、自分が前に進むための一歩になるんだよ。
すなわち「相手の立場になって行動し続ければ相手も同様にこちらの立場になって行動してくれるようになる」ということですね。
人生で大切なのは【恕】の心を持つこと
自分の意見を押し通すのではなく、まず相手のことを考えて思いやること
『論語』は【恕】について述べています。
〜子貢問ひて曰く 一言にて以て終身之を行う可き者有りやと 子曰く 其れ恕か 己の欲せざる所は 人に施すこと勿れと〜
また、ベンジャミン・フランクリンにも同様な箴言があります。
〜私が自分だけのために働いているときには、自分だけしか私のために働かなかった。しかし、私が人のために働くようになってからは、人も私のために働いてくれた。〜
稲盛和夫さんの仰る利他の心ですね。相手を思いやる心です。利他の心を持ち行動することが、究極は自分が前進することに繋がるのです。
小林 博重