今場所の稀勢の里は特に強かったと思います。昨年は年間最多勝でありながら、優勝にはあと一歩届かず、準優勝の山。悲運の大関と言うか、肝心要の勝負弱さ。蚤の心臓、精神力の弱さと、まぁ、これでは横綱には縁がないのかと思っていました。 しかし、今場所は運も味方に付けて、危ない相撲も勝ちにつなげ、14勝1敗の好成績で優勝。そのなかでも、千秋楽の白鵬戦は秀逸でしたね。
そして、また、お父上のコメントが良かった。「数多の辛酸を舐め、息子は少しずつ強くなっている。このことは、息子も自分自身のことで、よく分かっている云々」。肉親の愛情を越え、息子を一番知る者としての人生の襞、深みを感じました。この親にしてこの子あり。稀勢の里はきっと強い横綱になると思います。
人生は波乱万丈を乗り越えてその深みを増していくものです。天は乗り越えられない試練を与えることはしないが、それを乗り越えるためには、粘り、努力、信念、感謝。そのベースには真っ直ぐに人生を見つめる「素直な心」があるのだと思います。
人の心は複雑怪奇。政治も経済も複雑怪奇。果たしてそうだろうか?人生は案外「単純明快」なものではないのか。
「因果応報」
善因があって善果があり、悪因があって悪果がある。善いことを思い、善いことをすれば、必ず善い結果になる。人生長く生きていると、つくづくとそのように思います。
小林 博重
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