「売られた喧嘩を買わねばならぬ」という諺があります。その意味は、「自分の身に危険が迫ってくれば、それを防がなければならないというたとえ」とか。それは、自分の身に危険が迫っていなければ買わない方がいい、買ってはいけない、買っては馬鹿を見る、と言うことでしょう。
これは全てのことに当てはまります。人間ができてくれば、人を見る目も肥えてきます。付き合うに足る人でない人間から売られた喧嘩は、決して買ってはならないのです。買えばこちらの男がすたる、人間がすたる、と言うことです。
私も若気の至りで、結構喧嘩早いところがありました。筋が通っていれば堂々と喧嘩をしたものです。半澤直樹ではないですが、「倍返し」くらいの気合を入れて喧嘩をしたこともあります。今から考えると、決していいことはありませんでした。そのときは気持ちはすっきりしますが、後がよくありません。人間関係もその人との関係だけに収まらず、いろいろなところに飛び火します。
Mapフィロソフィーの一つが「人間修養」であるならば、「売られた喧嘩は、相手のレベルが極めて高い人でなければ決して買ってはいけない」ことを肝に銘じるべきです。実際のところ、喧嘩を売ってくる人でレベルが極めて高い人など滅多にいないですから、100%の確率で「売られた喧嘩は決して買ってはいけない」ということです。問題があるとすれば、別の方法でその解決方法を考えることが大切です。64歳になって、ようやく悟りました。
小林 博重