【SERENDIP】で『ビジネスZEN入門』(松山大耕著。講談社)を読み、早速アマゾンで買い求めました。
〜禅は言葉ではなく「体験」で教えを伝える。(中略)禅では、文字で書かれたものは解釈次第で変わってしまうため、言葉によって仏教の本質を伝えるのは難しいと考えます。だから、文字や言葉ではなく、体験によって悟りを目指す。そしてその経験を人から人へと伝えていかねばならない、とするのです。禅は、体験がすべてだといっても過言ではないほど体験や実践を重視します。座ることだけではありません。掃除や料理といった日々の体験のすべてを禅は重んじます。それ自体が禅にとっては修行なのです。そのことが、禅を誰にも開かれた宗教にしていると言えるでしょう。〜
〜人間はすべて論理だけで動いているわけではありません。つらい仕事をしなければならないときもあるし、自分の意には反するけれども謝らなければいけないときもある。論理を超えたいろいろな状況に直面します。そういう理屈を超えたところで、即座に反応して適切に行動できるかどうか。〜(中略)重要なのは、「まずやる」ということ。その体験を繰り返し、まず実践する習慣を身につけること。そういう姿勢ですべてのものに向き合うのです。頭で考えて終えるのではなく、実践する。姿勢や身のこなしなど、細かな一挙手一投足を正すことも、正すとすぐに何か結果が出たり役に立つわけではありませんが、ずっとやっていけば将来何かしらになる。一つひとつの動きをきちっとやっていくと、立ったときの雰囲気や歩き方といったすべてが知らず知らずのうちに全く違ってくるのです。〜
〜物事を究めるためには、目の前にある短絡的な利益を求めるのではなく、それを実践すること自体が目的にならねばいけないのです。〜
〜歩くのは、ただ歩くだけでよいのです。一人で、前に向かって一歩一歩進んでいくだけでよい。考えなければならないこともないし、他人に気を遣うこともない。ただ目的地に向かってひたすら歩く。するとその間に本当にいろんなことを考えるのです。そしていま振り返ると、この行脚の経験こそが、私にとって最も重要な修行のひとつだったようにも思えます。〜
〜ビジネスにおいても、グローバルに生きるという上でも、同じことです。本当に大切なものは、決してすぐには得られません。得ようと思って得られるものでもありません。また、それは往々にして、遠くにあって大きく見えるものでもないでしょう。一見何も得ていないように見える地道な一歩一歩の積み重ね。本当に大切なものは、自分の中に、自分の足元にあるのです。そこに目を向けること、すなわち自分の本質を見つめることの大切さ。それが、禅が教えてくれることなのです。〜
私が求めていた【人生観】が禅の思想のなかにあるような気がして、じっくり読んでみようと思いました。
小林 博重